「演奏前に必要な4つのウォームアップ」

スポーツなどの運動をする前には準備運動(ウォームアップ)が必要ですが、楽器の演奏前にも同じように準備が必要です。
僕は管楽器の演奏には4つのウォームアップが必要だと考えています。

①呼吸をコントロールし様々な演奏表現を形にするための【身体】のウォームアップ
②息を音にする【唇】のウォームアップ
③音や演奏のイメージを作る【頭】のウォームアップ
④自分の力を最大限に引き出すための【心】のウォームアップ

以上の4つです。

■身体(呼吸)のウォームアップ
まずはストレッチなどがオススメです。いきなり無理に身体を曲げたりせず、ゆっくりと丁寧にやって全身をほぐしていきます。
身体がある程度柔らかくなったら、メトロノームを使って一定のテンポの中で吸って吐くのを繰り返すなど、呼吸のウォームアップもやってみるといいかもしれません。
楽器を吹いているとつい力んでしまうという方も、吹く前なら比較的リラックスした状態だと思うので、なるべくそのままの状態での呼吸を身体に覚えさせるように、ひとつひとつの動作を丁寧にやってみましょう。

■唇のウォームアップ
唇のウォームアップには、唇の上下を自然に閉じたまま息を吐き唇全体を「プルプルプルっ」と震わせる【フラッピング】が最適です(※バズィングとは違うので注意)。
力任せに唇を震わせるのではなく、長~いため息を吐くようなイメージで、閉じた唇が自然に震えるようにやるのがポイントです。
フラッピングはウォームアップだけでなく口が疲れたりバテた時にも有効です。

■頭と心のウォームアップ
準備運動というとついフィジカル(身体)の部分にばかり意識がいきがちですが、管楽器はメンタルの部分が演奏にとても大きく影響します。
「今日はなんかダメな気がする…」「あぁ~昨日の疲れが抜けてないなぁ~」など不安な気持ちがあると、それが身体に伝わり演奏にも表れてしまいます。
「よーし、今日も良い音出すぞー!」「今日はこんなことを目標に吹いてみよう!」など前向きな思考を作っていくのも大切なウォームアップのひとつです。
また、なんとなくボーっとしたままで演奏してしまうと音に対して集中力が欠けてしまい、練習では成果が得られず、本番でも力を発揮することができません。
ウォームアップ(楽器での音出し)の段階から「こんな音で吹きたい」というイメージを明確にしていきましょう。

ウォームアップも練習同様「何をするか」の前に「何を目的とするか」に焦点を当てることで必要な内容が見えてきます。
もちろん考え方や実際のやり方は人それぞれなので、皆さんも自分にあった方法を探してみてください。

次回は僕が普段やっているウォームアップ方法をご紹介したいと思います!

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