「ズレた響きを知る~耳のトレーニング方法」

チューニングをしていて「なんとなく合ってるような気もするんだけど、なんだか合ってないような気もするし…よく分からないなぁ」ということが実は意外に多いんじゃないかなと思います。

僕も昔からチューニングが苦手でついチューナーに頼ってしまうことも多かったのですが、やっぱり耳を使うってとても大切なことなんです。
演奏していても、周りと音を合わせたり美しいフレーズを歌うためには全て自分の耳で音を聴いていかなければいけません。

ということで今回は【音程の感覚を養うためのトレーニング方法】をご紹介します。
トレーニング…というと表現が硬いかな。ちょっとしたゲームみたいなものです。

まず鍵盤か何かで基準となる音を出して、それに対し わざと上下に音程をずらして吹いてみます。
すると音がぶつかって「ゥワゥワゥワゥ~」という音の歪みが発生しますね。これが音程がズレた状態です。

基準の音とわざとずらした自分の音を聴き比べながら「高く・低くズレた音がどのような響きになるのか」を感じてみてください。

【ズレている響きを知ることが合っている響きに辿り着く第一歩】です。

基準の音はピアノなどでもいいですが、管楽器同士で一緒に練習できる人がいる場合は一人が基準となる音を出し、もう一人が音をぶつけるという感じでやってみてください。

思い切って半音くらい上(下)から吹いて、スライドをゆーーーっくりと動かしながら基準の音に近づけたり離したりして、歪み(音の揺れ)の幅を変化させてみると面白いですよ。
「ゥワゥワゥワゥ~」というのが、どのように変化するのかよく観察してください。
音程を変えるのはスライドを使って、息はいつも通りまっすぐな息で。

この練習の目的は「わざと歪ませて、それを聴く・感じること」なので、合っていない状態を楽しんで(?)くださいね。
スライドもホントにゆーーーーーーーーーっくり動かすんですよ!

そして十分にズレを感じたら、今度はピタリと合うところを探してみましょう。
音の歪みが無くなってふたつの音がひとつになったように感じられればOKです。
どうです?気持ち良くピタッと合うところが見つかりましたか?
この時の”ピタッと音程がハマる感覚”も、ぜひ覚えていきましょう。

音程は「メーターが合っているから正解」ではなく、耳で聴いてきちんと「気持ちいい!」と感じられることが大切です。
実際、チューナーで確認すると合っているハズなのに聴いた感じ音がハマっている気がしない…ということがよくあります。
これにもいろいろ理由があるのですが、今回覚えていただきたいのは「正しい(気持ちのいい)音程を耳で聴いて感じる事の大切さ」です。

ズレた状態を知り、ピタリと合う気持ち良さを感じる。
チューニングはもちろん、曲を演奏する時もこの感覚を大切にしてみてください。