「ウォームアップ実践編」

前回に引き続きウォームアップについてです。
今回は僕が普段やっているウォームアップの手順や意識している事をご紹介します。

■身体と唇のウォームアップ
僕の場合、ストレッチから始めます。そんなに念入りにするわけではありませんが、ぐぅ~~~っと伸びをするだけでもかなり違いますよ。

次はフラッピングで唇を目覚めさせます。首周りはもちろん顔や口の周りにも力を入れないよう、とにかく脱力して行います。息をたっぷりと使い唇だけでなく体全体を振動させるようなイメージで唇が適度にほぐれたなと感じるまでやります。僕はいつも楽器をケースから出して組み立てている間にやるので、だいたい40秒~長くて 1 分間くらいです。

■呼吸のウォームアップ
さぁ、楽器を組み立てたらさっそく音を…の前に呼吸のウォームアップです。
呼吸に関してはやり方がいくつもあるのでその時々で変えたり組み合わせたりします。レッスンでもやり方をいろいろご紹介しますので自分なりにアレンジしてウォームアップに取り入れてみてください。

身体(呼吸)と唇の準備が整ったところで楽器で音出しを…の前にっ!!

■マウスピースを使ったウォームアップ
僕は楽器を吹く前にマウスピースだけで軽く音を出します。グリッサンドでオクターヴを上下したり、無理のない音域でスケールを上下したりと、内容はその日の調子や状態で変えます。 楽器につけた時とマウスピース単体では反応や抵抗感が違うので無理に音を出そうとせず丁寧に口を慣らしていきます。
マウスピースだけでの音出しに関しては管楽器奏者の間でも昔から ”やった方がいい派” と ”やるべきでない派”で意見が大きく分かれるのですが、「まぁ人それぞれだよね~」というのが僕の意見です。
何にだって人それぞれ合う合わないがあるので、結果として調子が整うなら取り入れればいいと思いますし、かえって調子を崩すならやらなければいいかなと。
僕の場合はやるとしても本当に軽く1 分くらいです。

■楽器で音出し
いよいよ楽器で音を出します。どの音でもいいですが、高すぎず低すぎず…自分が一番無理なく出せる音がいいでしょう。僕の場合最初はヘ音五線内の F 辺りの音を伸ばします。出したい音を頭の中にしっかりとイメージして、先ほど同様リラックスした状態で吸って…イメージした音に合った息で、吐く。
長さは特に決めません。長さを気にするよりも身体に不必要な力みが無いか、息はまっすぐ気持ち良く吐けているかを大切にします。
タンギングやグリッサンド、リップスラーなどを組み合わせながら少しずつ吹く音域を上下に広げていきます。音量変化を加えてみてもいいでしょう。

■ウォームアップの目的
繰り返しになりますがウォームアップの目的は練習や本番で楽器を演奏できる身体や頭の状態を作ることです。
無理やり力任せに音を出さずとにかく自然体でリラックスしてやることを心がけてください。音のイメージがあって身体と息がきちんと働いていれば音は自然に後からついてきます。息をたっぷり使って楽な音量で音が気持ちよく伸びていくのを感じながら、自分の音 (と頭で鳴っている音 ) に深く潜っていくような感じでやってみましょう。

内容は地味ですが、丁寧に土台を作るというのは練習や本番で良い結果を生むためには必要不可欠なことです。
丁寧に!これが大切。